今週のJC:Effects of cyclosporine on feline lymphocytes activated in vitro

今週のJCは2020年に報告された猫とシクロスポリンに関する論文です。猫ではアレルギー性皮膚炎でシクロスポリンが処方されることがあります。この論文によると、人ではサイトカインを抑制することでT細胞の機能を抑制すること、リンパ球のアポトーシスを誘導することが報告されていますが、猫ではサイトカイン抑制によるT細胞の機能抑制は報告されているものの、リンパ球のアポトーシスについては報告されていないとのこと。そこで、猫の末梢血とコンカナバリンA(抗原なしにT細胞を活性化する)を共培養しそこにシクロスポリンを加えて実験を行なっています。シクロスポリンを加えると、細胞の増殖は抑えられ、さらに生細胞数の減少、アポトーシスを誘導するとのこと。論文中のデータを見ていると測定日で生細胞、アポトーシス細胞の基準が少しずれていて、このデータ本当かと思ってしまうところもありますが、、シクロスポリンは免疫抑制がかかるということにしっかり注意して処方する必要がありますね。

帝京大学医学部 移植免疫・腫瘍免疫研究室

夢と希望をもって誰でも(出身・経歴を問わず)斬新な研究ができるよう、この研究室の俗称を“どらえもんラボ”と名付けました。実験をしたい、そして新しいことを発見したいという夢がありながら、なかなかその場が見つからない、そのような方は是非“どらえもんラボ”にお立ち寄りください。そして、実験や討論を一緒にやりましょう。

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