今週のJC:T regulatory cell induced Foxp3 binds the IL2, IFNγ, and TNFα promoters in virus-specific ・・・
今回のJCは猫免疫不全ウイルス感染症(FIV)とCD8+細胞の関係についての論文です。
FIVはレンチウイルス属のウイルスによる感染症(人のHIVもレンチウイルス属です)で、感染すると免疫不全に陥ることがあります。FIVに感染するとCD8+細胞は急性期では増殖しますが、慢性期になるとCD8+細胞は増殖能を失うとされています。今回の論文ではどのようなメカニズムでCD8+細胞が機能を失うのかについて研究しています。
CD8+細胞が機能を失うメカニズムとしてCD8細胞中Foxp3(転写因子)が関与しているとのこと。CD8細胞中のFoxp3はウイルス感染により誘導された制御性T細胞がCD8細胞に作用することで発現します。CD8細胞中に発現したFoxp3はIL-2、TNFα、IFNγのプロモーター領域に結合し、産生を抑制していました。感染後1週目にはCD8細胞中にFoxp3が発現し、感染後6ヶ月目でもFoxp3の発現が確認されたとのこと。
一度感染すると直せないFIVのCD8細胞中のFoxp3に着目した新たな治療法の研究が今後進んでいくことを望んでいます。
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