今週のJC:Analysis of therapeutic potential of monocytic myeloid-derived suppressor cells in cardiac・・・

今週は順天堂大学と共同実験を行なった移植免疫に関する論文です。臓器移植を行うと拒絶反応が起こります。拒絶反応が起こると移植した臓器が機能不全に陥る可能性があります。そのため移植後に拒絶反応が起こらないようにする研究が進められています。この研究では骨髄由来抑制細胞(MDSC)に着目しています。MDSCは未熟な骨髄細胞であり、炎症反応を抑制するとされています。MDSCは多形核(PMN)-MDSCと単球(Mo)-MDSCに分類されます。心臓移植を行ったマウスにMDSCを投与すると移植した心臓が長期生着しました。さらにPMN-MDSCとMo-MDSCどちらが作用しているかを調べると、Mo-MDSCが長期生着に関与していることがわかりました。これはMDSCによる炎症を誘導するiNOSの抑制や制御性T細胞の誘導によりT細胞の制御をしているためでした。臓器移植における拒絶反応はまだうまくコントロールできていません。新たな治療法、治療薬を発見できるよう今後研究に励んでいきます。

帝京大学医学部 移植免疫・腫瘍免疫研究室

夢と希望をもって誰でも(出身・経歴を問わず)斬新な研究ができるよう、この研究室の俗称を“どらえもんラボ”と名付けました。実験をしたい、そして新しいことを発見したいという夢がありながら、なかなかその場が見つからない、そのような方は是非“どらえもんラボ”にお立ち寄りください。そして、実験や討論を一緒にやりましょう。

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