4年間の研究生活 当研究室では初の獣医師による医学博士号取得

私が海外にいた2017年、新見ラボに初の獣医師の方が入学してきました。井上明先生です。井上先生は動物腫瘍外科のトップsurgeonとして全国を回りながら、時間を縫って基礎研究を4年間頑張りました。この4年間は体力的に大変つらい期間だったと思います。紆余曲折あるも、晴れて2021年3月に学位を取得されました。

学位は時に『足の裏に付いた米粒』と揶揄されることもあります。取っても食えない、という意味ですね。確かに、医師の世界ではそのような扱いを受けることが多々あります。しかし、分野に関係なく、取って食える人もいるのです。食えるかどうかは、あなた次第でしょう。院生にはそう伝えています。

当研究室は基礎医学講座ですが、試験管をふる・動物実験をする、だけが博士号をとるためのすべてではありません。このコロナ禍において、そのような行為が無くとも、勉強し、議論に参加し、出来る限りのサイエンスを行い研究すれば、それが学位研究に相当する=学位が取得できる。そういう未来もくるかもしれません。もちろん、今は難しいですが。

最後に、4年間頑張ってくれた井上先生に私の好きな言葉を送ります。


志を立てるためには人と異なることを恐れてはいけない

世俗の意見に惑わされてもいけない

死んだ後の業苦を思いわずらうな

また目前の安楽は一時しのぎと知れ

百年の時は一瞬に過ぎない

君たちはどうかいたずらに時をすごすことのないように    吉田松陰


次の環境でも頑張ってください。

内山雅照

帝京大学医学部 移植免疫・腫瘍免疫研究室

夢と希望をもって誰でも(出身・経歴を問わず)斬新な研究ができるよう、この研究室の俗称を“どらえもんラボ”と名付けました。実験をしたい、そして新しいことを発見したいという夢がありながら、なかなかその場が見つからない、そのような方は是非“どらえもんラボ”にお立ち寄りください。そして、実験や討論を一緒にやりましょう。

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