今週のJC:COVID-19 - An update for WSAVA Members

 今週は世界小動物獣医師会(WSAVA)からペットのCOVID-19の今まで報告された情報を集積したものが発信されました。世界中のペットでCOVID-19感染例は 200 例未満、猫(n = 96)と犬(n = 77)がほとんどを占めています。これらの症例はほぼすべてCOVID-19に感染した人間と接触歴があります。これまでに確認されたペットのCOVID-19感染例のうち,約半数に臨床症状が認められ、症状は呼吸器症状(咳,くしゃみ,目鼻からの分泌物)や消化器症状(下痢,嘔吐)で、この症状は自然に治るものがほとんどでした。さらに、COVID-19に感染し死亡したペットはいませんでした。そして、COVID-19の感染実験も行われており、猫でのウイルス排泄は短期間であり、犬では一つの研究でウイルスの排泄は感染後どの時点でも検出されなかったとされています。そして、これまでの情報からペットのCOVID-19は人間に感染するリスクが低いとされています。ワクチンについては、ペットの感染例は、すべて人間から感染し、発症しても臨床症状は軽度で自然に治ることから、現時点ではペットにワクチンを接種する必要はないと考えられています。ワクチンメーカーは動物用のワクチンについても検討を行っていますが、それらのワクチンが本当に必要かどうかはさらなる研究が必要とされているそうです。まだまだペットの方もCOVID-19のデーター集積が必要ですね。

帝京大学医学部 移植免疫・腫瘍免疫研究室

夢と希望をもって誰でも(出身・経歴を問わず)斬新な研究ができるよう、この研究室の俗称を“どらえもんラボ”と名付けました。実験をしたい、そして新しいことを発見したいという夢がありながら、なかなかその場が見つからない、そのような方は是非“どらえもんラボ”にお立ち寄りください。そして、実験や討論を一緒にやりましょう。

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