今週のJC: Outcome after renal transplantation in 26 dogs.

獣医師として高齢犬の腎不全を治療することがあります。ヒトでは腎不全の際に腎移植が行われていますが、犬ではほとんど行われていません。そこで、今日紹介するのは犬の腎移植成績に関する研究です。腎移植を行い、免疫抑制剤を使用しても24日(中央値)しか生きません。生存率は15日までで50%、100日までで36%でした。主な死因は血栓塞栓症や感染症でした。ヒト腎移植の生存率は、生体腎移植では3年97.6%、5年96.7%、10年92%、献腎移植では3年94.1%、5年89.3%、10年82.5%とされています。この研究ではヒトの臓器移植と同じぐらい厳密に組織適合度を調べていないので一概に比較できませんが、犬の腎移植成績はまだまだ追いついてはいません。愛犬が高齢になり腎不全になった時、今の腎移植成績で治療を選択しますか?今後犬の腎移植の生着延長につながるような研究をしたいと思います。

帝京大学医学部 移植免疫・腫瘍免疫研究室

夢と希望をもって誰でも(出身・経歴を問わず)斬新な研究ができるよう、この研究室の俗称を“どらえもんラボ”と名付けました。実験をしたい、そして新しいことを発見したいという夢がありながら、なかなかその場が見つからない、そのような方は是非“どらえもんラボ”にお立ち寄りください。そして、実験や討論を一緒にやりましょう。

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