今週のJC: Thrombomodulin expression in tissues from dogs with systemic inflammatory disease

血管には抗凝固・抗炎症作用を有するトロンボモジュリン(TM)というタンパク質があります。ヒトでは炎症が全身に波及した時にTMが減少し、血液が固まりやすくなったり出血しやすくなったりする病気(播種性血管内血液凝固症DIC)にかかりやすくなります。一方、イヌではトロンボモジュリン研究はあまり行われていません。この論文ではイヌの膵炎モデルを作ったところ、多くの臓器の内皮細胞表面に発現するTMが減少することを確認しました。血管だけではなく、脈管構造に接している膜表面にもTMが発現し、抗炎症作用を示しているのでしょう。TMのさらなる研究はイヌの炎症性疾患に対する治療選択を広げるかもしれません。

帝京大学医学部 移植免疫・腫瘍免疫研究室

夢と希望をもって誰でも(出身・経歴を問わず)斬新な研究ができるよう、この研究室の俗称を“どらえもんラボ”と名付けました。実験をしたい、そして新しいことを発見したいという夢がありながら、なかなかその場が見つからない、そのような方は是非“どらえもんラボ”にお立ち寄りください。そして、実験や討論を一緒にやりましょう。

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