今週のJC: Thrombomodulin expression in tissues from dogs with systemic inflammatory disease
血管には抗凝固・抗炎症作用を有するトロンボモジュリン(TM)というタンパク質があります。ヒトでは炎症が全身に波及した時にTMが減少し、血液が固まりやすくなったり出血しやすくなったりする病気(播種性血管内血液凝固症DIC)にかかりやすくなります。一方、イヌではトロンボモジュリン研究はあまり行われていません。この論文ではイヌの膵炎モデルを作ったところ、多くの臓器の内皮細胞表面に発現するTMが減少することを確認しました。血管だけではなく、脈管構造に接している膜表面にもTMが発現し、抗炎症作用を示しているのでしょう。TMのさらなる研究はイヌの炎症性疾患に対する治療選択を広げるかもしれません。
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