4年間の研究生活 当研究室では二人目の獣医師による医学博士号取得

私が海外にいた2017年、新見ラボに獣医師の方が見学にきました。山本康人先生です。その翌年2018年、山本先生は麻布大学卒業後すぐに研究者としての将来のために当研究室の門をたたきました。昔の研究者のような寝食を忘れて基礎研究を4年間頑張ってくれました。紆余曲折あるも、晴れて2022年3月に学位を取得されました(予定)。

井上先生の時も書きましたが、学位は時に『足の裏に付いた米粒』と揶揄されることもあります。取っても食えない、という意味です。確かに、医師の世界ではそのような扱いを受けることが多々あります。獣医師の世界でも同じかもしれません。しかし、学位はただの免許・名刺です。どう使うかは本人次第です。

また、今回の山本先生の研究生活において、彼を教育・指導・審査をする側の能力も絶え間なく成長しなければならないと思うことがありました。どの場面においても、そしてどのような言葉を使っても、研究内容の露骨な批判や否定は学生個人の尊厳を否定することにも繋がります。医学生の教育担当責任者として、医学生の心情を慮ることを念頭に指導していますが、これは院生も当てはめるべきことだと思います。我々は教員免許を持たない教員です。肝に銘じて教育活動をすべきでしょう。

最後に、4年間頑張ってくれた山本先生に私の好きな言葉を送ります。


志を立てるためには人と異なることを恐れてはいけない

世俗の意見に惑わされてもいけない

死んだ後の業苦を思いわずらうな

また目前の安楽は一時しのぎと知れ

百年の時は一瞬に過ぎない

君たちはどうかいたずらに時をすごすことのないように    吉田松陰


来年からは、PDとして頑張ってください。

内山雅照

帝京大学医学部 移植免疫・腫瘍免疫研究室

夢と希望をもって誰でも(出身・経歴を問わず)斬新な研究ができるよう、この研究室の俗称を“どらえもんラボ”と名付けました。実験をしたい、そして新しいことを発見したいという夢がありながら、なかなかその場が見つからない、そのような方は是非“どらえもんラボ”にお立ち寄りください。そして、実験や討論を一緒にやりましょう。

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