今週のJC:mRNA Covid-19 Vaccines in Pregnant Women
今週のJCは妊婦へのコロナワクチン接種に関する内容です。
ファイザーとモデルナのmRNAワクチンが緊急承認された際に、医療従事者を除けばハイリスク患者への投与が行われました。当初、その中には妊婦も含まれる予定でしたが、最初のtrialでは除外されていました。それに伴い、妊娠とコロナワクチンに関連するコホート研究(Morb Mortal Wkly Rep 2020;69:769-775.と Morb Mortal Wkly Rep 2020;69:1641-1647.)が行われ、妊娠中の女性は非妊婦よりもコロナ感染症による重症化のリスクが高いと報告しています。さらに、生活習慣病をもつ妊婦はさらに大きなリスクがあるとされています(BMJ 2020;369:m2107-m2107.)。現在、v-safeというワクチン接種後12か月間の妊婦の健康状態や妊娠状況を携帯電話を使って確認する研究が行われています(N Engl J Med 2021;384:2273-2282.)。その中で、妊婦と非妊婦とではアレルギー反応を含む局所・全身反応は変わらなかったようです。また、妊娠3期(妊娠28週~40週)までにワクチン接種を行った妊婦の早産や先天異常の発生率は過去の文献と一致しており、mRNAワクチンが妊娠中に有害であるというplausibleな理由は無いとされています。ただし、今あるデータは妊娠後期であるため、まだ妊娠全体として有害ではないという確定的な結果が出たとは言えないと締めくくられています。
2021年4月26日時点で、世界中で10万人以上の妊婦がワクチン接種を受けたようです。より多くの女性が安心してワクチン接種ができるように、このような研究が必要ですね。
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