今週のJC:Survival and complications in cats treated with subcutaneous ureteral bypass.

寒くなってくると猫の泌尿器症候群(Feline Urological Syndrome : FUS)が多くなってきます。FUSの代表的なものに尿管結石があります。尿管に結石がつまると尿が出なくなり経過を見ていると亡くなってしまう危険性もある病気です。尿管結石の治療法として、約10年前にSubcutaneous Ureteral Bypass(SUBシステム)がアメリカの外科専門医によって開発されました。SUBシステムは近年日本でも頻繁に活用されていますが、術後の合併症が報告されています。今回はSUBシステムによる合併症はあるけれども長期生存が可能であった報告です。SUBシステムの手術を行なった95頭の猫で調査されました。軽度の合併症は18頭、重篤な合併症は46頭でした。合併症は結晶がカテーテルに付着する事でカテーテルが狭窄する事や細菌感染が主なものです。しかし、この合併症はいずれも管理が可能なものであり長期生存が可能でありました。尿管結石は手術をしないで経過を見ていると死亡したり腎不全になってしまい長期生存は期待出来ない病気であります。このカテーテルが開発された事により命を救われた猫も多いと思います。今後はさらに合併症を少なくしていけるといいですね。

帝京大学医学部 移植免疫・腫瘍免疫研究室

夢と希望をもって誰でも(出身・経歴を問わず)斬新な研究ができるよう、この研究室の俗称を“どらえもんラボ”と名付けました。実験をしたい、そして新しいことを発見したいという夢がありながら、なかなかその場が見つからない、そのような方は是非“どらえもんラボ”にお立ち寄りください。そして、実験や討論を一緒にやりましょう。

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